鍬ノ峰(長野県大町市、標高1623メートル)を登る
行程の概要
【標高】1090メートル→1623(差533)
【時間】2時間33分
【距離】3.32キロメートル(GPS計測)
【天気】晴れ・曇り
威厳の花”シャクナゲ”を求めて
登山日和に多くの登山客
大町市の市街から望む北アルプスの峰々には、まだ雪が残る5月下旬、シャクナゲの群生地として知られる鍬ノ峰を登った。空の青と雪の白、そして新緑がなんともさわやかな気分にしてくれる。
鍬ノ峰の登山口は、アルプス公園を過ぎて林道に入り、餓鬼岳(メートル)の登山口を超えてから、およそ車で10分ほどで到着する。
登山口近くの駐車スペースには車5~6台が駐車可能だが、到着した7:00頃にはほぼ満車状態だった。登山靴に履き替えたり、身支度をしていると、次々に車が入ってきて、奥の駐車スペースも徐々に埋まっていった。
その日は、快晴とまではいかないまでも、太陽のやわらかい光が雲間から差し込み、初夏の涼しい風が心地よく、登山日和だったこともあり、見ごろを終えそうなシャクナゲの花を目当てに、多くの登山者が訪れたに違いない。
自然の中にポッと現れる人工物
頂上までは約550メートルを登る。序盤から息が弾むくらいの坂を、歩幅を短くし、ゆくっりと歩く。樹々に囲まれ登山道は整備されてはいるものの、木の根がところどころむき出しになっていて、雨の日はスリップに注意したい。
時折足を止めて鳥のさえずりに耳を傾けながら、歩くこと15分。目印となる鉄塔(高瀬川線N0.18鉄塔)が立つ場所に出ると、少しだけ視界が開けた。街中で見てもなんの感想も持つことがない鉄塔も、自然の中にポッと現れと、不思議と心が動かされる。
水田に反射する空と雲、そして豪勢なシャクナゲの花
1400メートル付近に、右側が切れ堕ちている箇所がある。高所が苦手な人は少し勇気が必要だろう。ロープもあるが、弛んでいて、頼りすぎるとバランスを崩す可能性がある。足元を確認しながら、ゆっくり、慎重に進む。
やがて、樹々の隙間から大町に到着。ちょうど田植えの時期と重なって、水田に張られた水が鏡となって、空と雲をきれいに反射させていた。この時期ならではの風景だ。シャクナゲのピンクの花も、このきれいな景色に華を添える。ほっと一息。
登るにつれ、シャクナゲの花も多く見ることができた。花冠が密集していることから、豪華で艶やかな花だ。
頂上で360度のビューを楽しむ
登山口から1.7キロで600メートルを登ることになるので、最後までずっと登りが続く印象だ。出発から1時間40分で山頂に到着。山頂は開けていて、360度展望がある。
東側には大町市街、西側には餓鬼岳などの北アルプスの山々が広がる。回転展望デッキのように、その場でくるくる回りながらしばし景色を楽しんだ。
風があり、雨が降ってきそうだったので、早めに山頂を後にした。
下山中も、多くの登山客とすれ違った。下山後の登山口は、駐車スペースに収まり切れないほどの車が止まっていた。この時期の鍬ノ峰は人気がある。
足には堪えた…
シャクナゲの花と、眼下の街並み、そして壮大な北アルプスを望みながら、心地よい疲れを感じられる山旅だった。次の日は久々に太ももが筋肉痛になりましたとさ。
冠着山(長野県千曲市、標高1252メートル)を登る
行程の概要
【標高】992メートル→1252メートル(差260メートル)
【時間】1時間40分
【距離】2.6キロメートル(GPS計測)
【天気】晴
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長野盆地(善光寺平)の景色を求め姨捨物語の舞台を登る
濃淡ある新緑の中を歩く
スタートは坊城平いこいの森キャンプ場から。前日、小雨が降り、スタート地点は少しだけぬかるんでいた。登山口前にかえる池が。まだカエルは見当たらない。
平坦な新緑の道を進む。朝の光が芽吹いたばかりの緑を透かし、すがすがしい気分だ。久しぶりに降った雨で、苔もみずみずしさを取り戻していた。
途中、分岐があり地図と看板を頼りに、道迷いを回避。里山や低山の山行でも、なめてはいけない。山は山で、気をつけなければ。
自分の体力にはちょうどよい上り坂で、足慣らしにいい。道端に咲くヤマエンゴサクが目を楽しませてくれた。
中腹で景色を楽しみ頂上へ
20分ほどで第4展望台(トップ写真)へ到着。
少し雲がかかっていたが、青空もあり、いい眺め。何より春の風が気持ちいい。
第4展望台から15分ほどで、頂上へ向かう登山道にぶつかる。
頂上に向けて歩みだすと、すぐ目につくのが人の形をした木。
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頂上から善光寺平を見渡す
人の木を過ぎれば、頂上までは後少し。10分も歩けば、頂上の鳥居が見えてくる。
頂上は広く、ゆっくりと休憩することができる。座りながら、しばし景色を眺めて一休み。
手軽に登れる里山。ナイトハイクの企画があるようだ。頂上から善光寺平の夜景もいつかは見てみたい。
こぼれネタ
下山時、十三体の仏に見立てられた岩が鎮座する場所に立ち寄った。冠着山は以前、修験の場であったそうだ。一体にはニリンソウが健気に咲いていた。
石尊山(長野県軽井沢町、標高1667メートル)を登る
行程の概要
【標高】992メートル→1667メートル(差675メートル)
【時間】5時間40分
【距離】14.3キロメートル(GPS計測)
【天気】晴
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壮観な浅間山の山容が頂上で待っていた
追分宿の駐車場からスタート
4月下旬の軽井沢町は、桜がまだまだ見頃で、冬から春へ季節が移ったことを実感させてくれる。
石尊山(せきそんさん)の登山口は、追分宿駐車場から歩いて約10分。
登山口の入り口には、有毒ガス、熊、急な天候の変化などに注意することが書かれた看板が立っている。
少し神妙な気持ちになった。
登山口から4キロちょっと先の赤滝(通称"血の滝")までは、ほぼ平坦な道を頂上に向けてまっすぐ登っていく。
周りは松と広葉樹の雑木林で、ときどき野鳥が鳴き声が聞こえる。
ほんとに静かだ。
登山道には、火山噴火で飛んできただろう黒っぽい石が所々に転がっている。少し歩きにくい…
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森の中に現れた黄金の血の滝
林道と3回ぶつかって後、600メートルほど進むと第一の見どころの"血の滝"に到着。
血の滝に続く沢の流れ |
赤というよりは黄金の流れで、なんとなくありがたい気持ちになり、心の中で合掌。
曇の日や月明かりもとでは、どんな色に見えるのだろうか。
滝の高さは10メートルほどだろう。
登山道から沢の方に降りていくと、正面から滝を眺められる場所にでる。
横の洞穴には不動明王の石像が二体鎮座。
滝をじっと眺めているようだ。
血の池、おはぐろ池、そして頂上へ
血の滝を後にして少し進むと、湿地帯の中が登山道になっている。
地面が茶色から赤褐色に変わったころ、"血の池"と"おはぐろ池"に到着。
看板はあるが水がないため、池とは分からない。
ただ赤褐色の水路があるだけだ。
一方、おはぐろ池はちゃんと池にはなっているが…ただの池。
血の池から少しだけ斜面がきつくなる。
登山道は枯れ葉が敷き詰められ、石が隠れているので注意が必要だ。
慎重に歩きたい。
30分ほど登ると石尊平に着くが、まだ眺めはない。
頂上まで後少し。
堂々とした浅間山の山容に感動
山頂に到着して振り向くとどっしりとした荘厳な浅間山。
前方には軽井沢・佐久平の景色が見える。
この日は少し霞んでいた。
日陰がないので、夏場は少し暑いかもしれない。
間山を眺めながら、いつか前掛山まで登ろうと思う。