たくどんの山歩き便り

ガチとまではいかない山歩きを発信します

鍬ノ峰(長野県大町市、標高1623メートル)を登る

f:id:takkudon:20210602224353j:plain


行程の概要

【標高】1090メートル→1623(差533)

【時間】2時間33分

【距離】3.32キロメートル(GPS計測)

【天気】晴れ・曇り

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

(NEMO)ニーモ アトム 2P GN
価格:43450円(税込、送料別) (2021/6/2時点)

威厳の花”シャクナゲ”を求めて

登山日和に多くの登山客

大町市の市街から望む北アルプスの峰々には、まだ雪が残る5月下旬、シャクナゲの群生地として知られる鍬ノ峰を登った。空の青と雪の白、そして新緑がなんともさわやかな気分にしてくれる。

 

鍬ノ峰の登山口は、アルプス公園を過ぎて林道に入り、餓鬼岳(メートル)の登山口を超えてから、およそ車で10分ほどで到着する。

 

登山口近くの駐車スペースには車5~6台が駐車可能だが、到着した7:00頃にはほぼ満車状態だった。登山靴に履き替えたり、身支度をしていると、次々に車が入ってきて、奥の駐車スペースも徐々に埋まっていった。

f:id:takkudon:20210602225654j:plain
f:id:takkudon:20210602225712j:plain
登山口から樹木に囲まれた登山道を登っていく

その日は、快晴とまではいかないまでも、太陽のやわらかい光が雲間から差し込み、初夏の涼しい風が心地よく、登山日和だったこともあり、見ごろを終えそうなシャクナゲの花を目当てに、多くの登山者が訪れたに違いない。

自然の中にポッと現れる人工物

頂上までは約550メートルを登る。序盤から息が弾むくらいの坂を、歩幅を短くし、ゆくっりと歩く。樹々に囲まれ登山道は整備されてはいるものの、木の根がところどころむき出しになっていて、雨の日はスリップに注意したい。

f:id:takkudon:20210602230025j:plain

f:id:takkudon:20210602230007j:plain

心が踊ってしまう鉄塔

時折足を止めて鳥のさえずりに耳を傾けながら、歩くこと15分。目印となる鉄塔(高瀬川線N0.18鉄塔)が立つ場所に出ると、少しだけ視界が開けた。街中で見てもなんの感想も持つことがない鉄塔も、自然の中にポッと現れと、不思議と心が動かされる。

水田に反射する空と雲、そして豪勢なシャクナゲの花

1400メートル付近に、右側が切れ堕ちている箇所がある。高所が苦手な人は少し勇気が必要だろう。ロープもあるが、弛んでいて、頼りすぎるとバランスを崩す可能性がある。足元を確認しながら、ゆっくり、慎重に進む。

f:id:takkudon:20210602230735j:plain

水田の水面に空と雲

やがて、樹々の隙間から大町に到着。ちょうど田植えの時期と重なって、水田に張られた水が鏡となって、空と雲をきれいに反射させていた。この時期ならではの風景だ。シャクナゲのピンクの花も、このきれいな景色に華を添える。ほっと一息。

登るにつれ、シャクナゲの花も多く見ることができた。花冠が密集していることから、豪華で艶やかな花だ。

 

f:id:takkudon:20210602230825j:plain

花言葉は "威厳" "荘厳"

頂上で360度のビューを楽しむ

f:id:takkudon:20210602231331j:plain

頂上に

登山口から1.7キロで600メートルを登ることになるので、最後までずっと登りが続く印象だ。出発から1時間40分で山頂に到着。山頂は開けていて、360度展望がある。

東側には大町市街、西側には餓鬼岳などの北アルプスの山々が広がる。回転展望デッキのように、その場でくるくる回りながらしばし景色を楽しんだ。

f:id:takkudon:20210602231313j:plain
f:id:takkudon:20210602231443j:plain
左右前後の景色を眺める

風があり、雨が降ってきそうだったので、早めに山頂を後にした。

下山中も、多くの登山客とすれ違った。下山後の登山口は、駐車スペースに収まり切れないほどの車が止まっていた。この時期の鍬ノ峰は人気がある。

足には堪えた…

シャクナゲの花と、眼下の街並み、そして壮大な北アルプスを望みながら、心地よい疲れを感じられる山旅だった。次の日は久々に太ももが筋肉痛になりましたとさ。

冠着山(長野県千曲市、標高1252メートル)を登る

f:id:takkudon:20210516181610j:plain

行程の概要

【標高】992メートル→1252メートル(差260メートル)

【時間】1時間40分

【距離】2.6キロメートル(GPS計測)

【天気】晴


 

長野盆地善光寺平)の景色を求め姨捨物語の舞台を登る

濃淡ある新緑の中を歩く

スタートは坊城平いこいの森キャンプ場から。前日、小雨が降り、スタート地点は少しだけぬかるんでいた。登山口前にかえる池が。まだカエルは見当たらない。

平坦な新緑の道を進む。朝の光が芽吹いたばかりの緑を透かし、すがすがしい気分だ。久しぶりに降った雨で、苔もみずみずしさを取り戻していた。

f:id:takkudon:20210516181709j:plain
f:id:takkudon:20210516181756j:plain
濃淡ある緑たち

途中、分岐があり地図と看板を頼りに、道迷いを回避。里山や低山の山行でも、なめてはいけない。山は山で、気をつけなければ。

f:id:takkudon:20210516181845j:plain

道迷いには注意
f:id:takkudon:20210516181904j:plain
f:id:takkudon:20210516181947j:plain
道端に咲くヤマエンゴサクを見ながらちょうどよい登坂

自分の体力にはちょうどよい上り坂で、足慣らしにいい。道端に咲くヤマエンゴサクが目を楽しませてくれた。

中腹で景色を楽しみ頂上へ

20分ほどで第4展望台(トップ写真)へ到着。

少し雲がかかっていたが、青空もあり、いい眺め。何より春の風が気持ちいい。

第4展望台から15分ほどで、頂上へ向かう登山道にぶつかる。

頂上に向けて歩みだすと、すぐ目につくのが人の形をした木。

f:id:takkudon:20210516182043j:plain

WOOD版太陽の塔?

岡本太郎氏の太陽の塔にも見える。縄文系だ。


 

頂上から善光寺平を見渡す

人の木を過ぎれば、頂上までは後少し。10分も歩けば、頂上の鳥居が見えてくる。

f:id:takkudon:20210516182140j:plain

頂上への門

頂上は広く、ゆっくりと休憩することができる。座りながら、しばし景色を眺めて一休み。

 

f:id:takkudon:20210516182225j:plain
f:id:takkudon:20210516182310j:plain
f:id:takkudon:20210516182357j:plain
f:id:takkudon:20210516182450j:plain

f:id:takkudon:20210516182507j:plain


手軽に登れる里山。ナイトハイクの企画があるようだ。頂上から善光寺平の夜景もいつかは見てみたい。

こぼれネタ

下山時、十三体の仏に見立てられた岩が鎮座する場所に立ち寄った。冠着山は以前、修験の場であったそうだ。一体にはニリンソウが健気に咲いていた。

f:id:takkudon:20210516182539j:plain
f:id:takkudon:20210516182626j:plain
十三仏の岩たち

f:id:takkudon:20210516182710j:plain

ニリンソウが小さな花を咲かせる

 

石尊山(長野県軽井沢町、標高1667メートル)を登る

f:id:takkudon:20210429123844j:plain

行程の概要

【標高】992メートル→1667メートル(差675メートル)

【時間】5時間40分

【距離】14.3キロメートル(GPS計測)

【天気】晴


 

壮観な浅間山の山容が頂上で待っていた

追分宿の駐車場からスタート

f:id:takkudon:20210427182036j:plain
f:id:takkudon:20210427182213j:plain
桜の淡いピンク色とたんぽぽのビビットな色が春を感じさせる

4月下旬の軽井沢町は、桜がまだまだ見頃で、冬から春へ季節が移ったことを実感させてくれる。

石尊山(せきそんさん)の登山口は、追分宿駐車場から歩いて約10分。

登山口の入り口には、有毒ガス、熊、急な天候の変化などに注意することが書かれた看板が立っている。

少し神妙な気持ちになった。

登山口から4キロちょっと先の赤滝(通称"血の滝")までは、ほぼ平坦な道を頂上に向けてまっすぐ登っていく。 

f:id:takkudon:20210427181955j:plain
f:id:takkudon:20210429123730j:plain
登り始めは松ぼっくりが転がる平坦な道が続く

周りは松と広葉樹の雑木林で、ときどき野鳥が鳴き声が聞こえる。

ほんとに静かだ。

登山道には、火山噴火で飛んできただろう黒っぽい石が所々に転がっている。少し歩きにくい…


 


森の中に現れた黄金の血の滝 

林道と3回ぶつかって後、600メートルほど進むと第一の見どころの"血の滝"に到着。

f:id:takkudon:20210429123944j:plain
f:id:takkudon:20210429123831j:plain
最初の見どころ。血の滝が黄金色に輝く
f:id:takkudon:20210429123848j:plain f:id:takkudon:20210429123850j:plain
血の滝に続く沢の流れ

 

赤というよりは黄金の流れで、なんとなくありがたい気持ちになり、心の中で合掌。

曇の日や月明かりもとでは、どんな色に見えるのだろうか。

滝の高さは10メートルほどだろう。

登山道から沢の方に降りていくと、正面から滝を眺められる場所にでる。

横の洞穴には不動明王の石像が二体鎮座。

滝をじっと眺めているようだ。

 

血の池、おはぐろ池、そして頂上へ

f:id:takkudon:20210429132759j:plain

血の池まで赤茶けた登山道を進む

血の滝を後にして少し進むと、湿地帯の中が登山道になっている。

地面が茶色から赤褐色に変わったころ、"血の池"と"おはぐろ池"に到着。

看板はあるが水がないため、池とは分からない。

ただ赤褐色の水路があるだけだ。

一方、おはぐろ池はちゃんと池にはなっているが…ただの池。

f:id:takkudon:20210429140319j:plain
f:id:takkudon:20210429140335j:plain
干上がった"血の池"とこじんまりとした"おはぐろ池"

血の池から少しだけ斜面がきつくなる。

登山道は枯れ葉が敷き詰められ、石が隠れているので注意が必要だ。

慎重に歩きたい。

30分ほど登ると石尊平に着くが、まだ眺めはない。

頂上まで後少し。

堂々とした浅間山の山容に感動

山頂に到着して振り向くとどっしりとした荘厳な浅間山

前方には軽井沢・佐久平の景色が見える。

この日は少し霞んでいた。

日陰がないので、夏場は少し暑いかもしれない。

f:id:takkudon:20210429135453j:plain
f:id:takkudon:20210429132742j:plain
石尊平から少し登ると眺めのいい頂上に到着

f:id:takkudon:20210429123844j:plain

頂上では浅間山が荘厳な山容をみせる

f:id:takkudon:20210429123931j:plain

軽井沢・佐久平がみわたせる

間山を眺めながら、いつか前掛山まで登ろうと思う。

平坦な登山道をコツコツ歩いた先で、ようやく雄大浅間山に出会える、そんな山行だった。